能面 中坊竜堂作品紹介

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中坊竜堂は60才の頃から、木彫りの能面の創作を始めました。今では70点を超える作品があります。 以下全て木彫りの面の一部をご紹介いたします。

能面、小面

能面 小面(こおもて)

小面とは若い女を意味する言葉で面の大小を言うわけではありません。童女とも成長した大人の顔とも見え、 若い女面の原型でありその表情は愛らしく初々しい印象です。この一面があればほとんどの若い女能を演じられると言っても過言ではありません。 作り手によって、可憐、理知的、憂いを含んだものなどに表情が分かれます。額の中央から三本の毛筋が平行して描かれているのは小面の特徴のひとつです。 能面は、面をつけた演者の動きによって喜怒哀楽をあらわします。舞台の上で面を上に向けると「照らす」、下に向けると「曇らす」と称して、 同じ面で嬉しさや哀しみなど、さまざまな心の動きを表現します。

能面、翁面

能面 翁(おきな)

にこやかなアルカイックな笑みは時代を超えて、現代人の心を打ちます。現在でも翁面をご神体にする神社がたくさんあるように、「翁」を 支えているのは、神への祈りの心です。「翁は能にして能にあらず」といわれ、鎌倉時代に形成され今日まで別曲として神聖視されています。 翁舞(おきなまい)は、日本の伝統芸能の舞、能楽の原典といわれ、能楽成立以前の古い形態を伝えているとして、奈良豆比古神社の翁舞と車大歳神社の翁舞は重要無形民俗文化財に指定されています。 明確な筋書きがある物語であるものが殆どの能や狂言に対し、翁にはこれといった筋書きは無く、物語というよりは五穀豊穣や天下泰平の祈祷と位置づけられます。

能面、般若面

能面 般若(はんにゃ)

般若は、「嫉妬や恨みの篭る女の顔」としての鬼女の能面。 「葵上」「道成寺」「安達原」に用いますが、貴婦人の怨霊である『源氏物語、葵上」では白っぽい彩色の般若を、 野に住む鬼の「安達原」では赤般若、黒般若が選ばれます。諸説ありますが、葵の上が六条御息所の嫉妬心に悩まされ、その生怨霊にとりつかれた時、 般若経を読んで御修法(みずほう)を行い怨霊を退治したから、般若が面の名になったとも言われます。 法力に抗う魔性の表現である般若は、祈りに耐えてじっとうつむくと女の悲しみが凝縮し、鋭く相手に面を切ると 怨念が噴出します。目と歯に工作された金属はすでにこの世の次元の存在でないことを表しています。

能面、童子

能面 童子(どうじ)

健康で若い少年の面。透明な世代の美しさを凝縮しています。露を飲んで仙人となり その永遠の若さを今に象徴する神仙の化身といわれています。どことなく優雅でしかも妖精的な神秘性が感じらます。 面の特徴としては、下唇には歯がありません。目尻は少し吊り上がり、眉毛は新月形、前髪が眉にまで届くものもあります。

能面、中将

能面 中将(ちゅうじょう)

「忠度」「清経」の公達武者に用いられる一方、天皇や光源氏の亡霊「玄象」「須磨源氏」、風流大臣「融」の霊、 在原業平の亡霊の「雲林院」「小塩」に用いられます。在原業平の面影を打ったというところから、その在五中将からつけられた名称といわれています。 中将の特徴は眉の付け根の二本の縦の皴です。 

能面、姥

能面 姥(うば)

年老いた女性の面。左右の眉間のしわが一本につながっているのが特徴です。同じ年老いた女性であっても姥と老女の違いは明確です。 姥は男をやり込める姥ではなく神に通じる品格を持つ姥なので口元にも品格が漂います。姥は神に近い存在なので、若い女性ではありませんが、シミのない美しい肌をしています。 さらに人間味を帯びて、心底の煩悩を表現し、悔しさやいやらしさをあらわしたものもあります。

能面、若女

能面 若女(わかおんな)

観世流の幽玄能を代表する面。全体的にスケールの大きな、おおらかな作りで、見る角度で微笑みを出しているようにも見え、 ちょっと曇らすだけで物悲しい風情が出、面相が微妙に変化します。

能面、飛出

能面 飛出(とびで)

スケールの大きい、豪快な天の神の面です。舞楽面の胡飲酒、抜頭、貴徳などとの類似が見られます。 「賀茂」の雷神、「嵐山」「国栖」の蔵王権現に用います。

能面、小飛出

能面 小飛出(ことびで)

小飛出は精悍敏捷な地上を駆ける神的存在として「小鍛治」「殺生石」「合甫」などに用います。

能面、橋姫

能面 橋姫(はしひめ)

自分を捨てて若い女と一緒になった夫。二人をこの世でとり殺すために、貴船の神に祈って、鬼に変身を遂げた「鉄輪」の女の面です。 原典の平家物語に顔に朱を塗り、体にも丹を塗って赤くし、頭に鉄輪をのせて三本の松明をつけ、怒る心を持つならばそのまま鬼に変身するとあり、 凄まじい女性の怒りが噴出した恐ろしい相貌です。能は男性により創られ継承されてきましたが、女性の美を最高のものとして追求する一方、 女性の暗い情念、怨念の恐怖の世界を極限まで追求した演劇であり、造形であるといえます。

能面、蝉丸

能面 蝉丸(せみまる)

帝の御子でありながら、生まれつき盲目であったため、都と大津との堺の乞食のたまり場である逢坂山に髪をおろして捨て置かれた蝉丸。 琵琶の名手である彼のもとにその音色に導かれるように姉がやってきて涙の再会を果たします。高貴な方の柔らかく、品の良さを表す面立ちです。 後に僧侶となって、面の額は角帽子で覆われます。

能面、俊寛

能面 俊寛(しゅんかん)

孤島に流され、やせ衰えた俊寛僧都。俊寛の面は能面作家により異なり、都会人らしい神経質で狷介な表情、平家覆滅を図った剛腹な表情、 むしろ楽観的な表情などさまざまです。この面は全部が観客に見えることがありません。角帽子、花帽子、黒頭などで覆われるため、その造形には計算が必要であると言われます。

能面、一角仙人

能面 一角仙人(いっかくせんにん)

観世流の「一角仙人」の専用に使われる面。龍神を岩屋に閉じ込め雨を降らさない仙人には二股に別れた角が生えています。 山奥に住む仙人なので、無精髭がたくさん描かれています。角をとって、怪士として使われることもあります。

能面、鷹

能面 鷹(たか)

その名を示すように山の奥に住む猛檎の目を持つ面。上瞼に鷹らしい鋭さがあり、毛描きも独特で間があいた髭描きは難しいものです。 「大会」で天狗が化けた修行僧の役、霊神や怪士の役柄に用いられます。

能面、小面、雪

能面 小面 雪(こおもて ゆき) 

女面は小面も、若女、増女、深井、痩女も「雪」「月」「花」の三面が必要と言われます。「雪」は能の幽玄の世界の最たるもので 少し青みがかった彩色です。また、面の骨は右への鼻振り顎を左に構えた感じの特徴があります。

能面、景清

能面 景清(かげきよ)

現事全盛の世に、流され人となり、しかも盲いて乞食の境涯におちた平家の勇将悪七兵衛景清。景清の面には髭ありと髭なしがあり、 作者によって主張が異なります。髭ありの景清は強い武将を表すため装束も大口をつけ、髭なしの景清の面を付けるときは、落ちぶれた姿を表現するために装束は着流しです。

能面、小面、花

能面 小面 花(こおもて はな)

女面は小面も、若女、増女、深井、痩女も「雪」「月」「花」の三面が必要と言われます。一般的に目、鼻、口が中心に寄るほど 強く感じますが、「花」の面ではそれらの要素が中心から四ミリほど開いているため、、おおらかな優しい表情をもった面になります。

能面、三番そう

能面 三番三(さんばそう)

黒式尉とよばれる翁面。五穀豊穣をいのって舞う際に用いられます。

能面、慈童

能面 慈童(じどう)

「菊(枕)慈童」など童子より、より一層霊性の強い少年の役に用いられます。頬に薄くさした紅、 風にゆれる幽玄をかんじさせる髪、可憐なえくぼなどなにものにも染められない無垢な美しさは、仙境に住むとされることからくると言われます。 そのため童子の面と同じ役で使用する場合も、より妖精に近い神秘的な神に近い設定で用いられます。

能面、節木増

能面 節木増(ふしきぞう)

室尾流の節木増は、節のある楠で作られたため鼻の左側の付け根のとろこにやにがでてきて、それがかえって美しいアクセントのほくろのような 効果を与えたため節のある木の増女という名前が生まれました。品格高く、憂愁味をおびた美しい表情のお面です。

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